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https://info.village-cellars.co.jp/Editorial/posts/TerreRougehttps://info.village-cellars.co.jp/Editorial/posts/TrinityHillトリニティ・ヒル ギムレット・グラヴェルズシャルドネ 2022(スクリューキャップ)品種:シャルドネ100%  Alc. 13.7%希望小売価格 ¥5,800トリニティ・ヒル ギムレット・グラヴェルズシラー 2021(スクリューキャップ)品種:シラー100%  Alc. 13.4%希望小売価格 ¥5,600ワインショップオーナーから醸造家へ―カリフォルニア内陸部でローヌ品種と古木ワインの可能性を探求する1860年代の大洪水が生んだギムレット・グラヴェルズ、大自然の恵みを生かすワイン造りビル・イーストン氏 インタビュー権威ある英国 IWC2022でNZシャルドネ初の「最優秀白ワイン」賞に輝くなど、国内外で高く評価されるワインの最新ヴィンテージ。凝縮した果実に自然な酸が豊かに溶け込み、活力としなやかさを兼ね備えたフィネスのある味わい。 Silver Medal, NZ International Wine Show 2023CODE12789  今年4月、6年ぶりにビル・イーストン氏が来日、ヴィレッジ・セラーズ銀座スペースで試飲セミナーを行った。サンフランシスコのベイエリアでワインショップを主宰していたが、ローヌ・ワインに魅せられ自社輸入、1985年からはついに自身でブドウ栽培・ワイン造りを始めた生産者だ。2016年には「ローヌ・レンジャーズ」団体より4人目となる特別功労賞生涯業績賞を受賞している。ギムレット・グラヴェルズ(NZホークス・ベイ)ホークス・ベイとギムレット・グラヴェルズ 北島の東海岸に沿って広がるホークス・ベイは、NZで最も古いワイン産地で、現在マールボロに次いで2番目の規模を誇る。年間日照量は2,250時間以上とニュージーランドで最も日照に恵まれ、1851年宣教師らが最初のブドウを植えて以来、多様な品種の高品質ワインが生産される。 ホークス・ベイの一部、面積では0.06%に満たないギムレット・グラヴェルズ地区は、ワイン産地として世界で唯一、土壌で定義されている。ロイズ・ヒルの南西にあり、一時は旧ナルロロ川の分岐点にあたる川底だった。硬砂岩(グレイワッケ)や小石が風化し、数世紀をかけて近くの山から流され徐々に川底に沈殿した土壌で、1867年の大洪水後、川筋が変わり地表に出現した。ゴロゴロとした小石が特徴の土壌は水はけがよく、ブドウは果実は小さいが、風味、色、熟したタンニンが凝縮する。さらに小石には熱を蓄える性質があることから、このような冷涼地にあっても、多様な品種が成熟する。温暖を好む赤品種の生育に適した環境にもかかわらず、この地方は1980年代まで作物は育たない不毛の土地として見過ごされてきた。 ローヌ品種には赤い大地を意味する「テール・ルージュ」のラベル、古木ジンファンデルなどローヌ以外の品種には「イーストン」と2つのラベルを使い分け、シェラフット・ヒルズの山間地でその土地と気候を表現するワインを造る。 キーワードは、発酵、タンク熟成、樽熟、瓶熟成を含む「エレヴァージュ」。ミネラル分の多いしっかりした構成の山岳ワインはワイナリーで長期保ギムレット・グラヴェルズに点在する3つの自社畑のシラーを別々に発酵し、12-15ヶ月間熟成後にブレンド。同地区シラーの特徴が存分に表現される1本。複雑な質感、スパイシーで清らかな余韻。ヴィオニエを加える年もあるが、2021年はシラー100%。 96pts James SucklingCODE12689管し、瓶熟成による繊細な複雑さを市場に提供することが基本的考え。今回の試飲会で「アセント 2003」の在庫が底をつくと、Wine Enthusiast誌が100ptをつけた2016年を少々分けてくれると言う。ワー!と喜ぶと、「でもまだ飲むには若すぎるけど…」。テール・ルージュの資料によればベストの飲み頃は2026-2036年とか。 Wine&Sprits誌が毎年世界中のワイン生産者から選ぶ「Top 100 Wineries」の常連で、 直近も2020~2023年の4年連続受賞。酸、バランスの取れたタンニン、そして信じられないほどの複雑さがある。トリニティ・ヒルが所有する3つの畑のうち、シラーの95%はギムレット・エステート・ヴィンヤードにある。現在、約12種類のシラー・クローンを栽培しているが、特に重視するシラー・クローン・プログラムが、1830年代のジェームズ・バスビー(豪州ブドウ栽培の父として知られる)由来のマサル・セレクションと仏エルミタージュのドメーヌ、ポール・ジャブレ・エネの故ジェラール・ジャブレから譲り受けたジャブレ・コレクションの2つで、特にクローン174は、当時ニュージーランドで入手不可能だったもの。 これらクローン・セレクションとテロワール、高い品質を引き出す栽培および醸造を紐解くセミナーを計画しています。日時等は改めてご案内します。ぜひご参加ください。ウォーレン・ギブソン氏 インタビュー(ヴィレッジ・セラーズ『ワインカタログ2023春』 掲載)(ヴィレッジ・セラーズ『ワインカタログ2021夏』 掲載)ワイン詳細は、www.village-cellars.co.jpをご参照ください。 2024Summer Village Cellars Wine Catalogueシェラフット・ヒルズ(カリフォルニア州)トリニティ・ヒルとウォーレン・ギブソン 1990年代に入り、ようやくギムレット・グラヴェルズの可能性に光があたると、1993年、3組のパートナーがトリニティ・ヒルを設立、1994年最初のブドウを植樹し、1997年の初ヴィンテージに合わせワイナリーを設立した。現在はギムレット・グラヴェルズの3か所に計42haの畑を所有し、アイコン品種のシラーとシャルドネ、ホークス・ベイが得意とするボルドー品種、NZの他産地同様ピノ・ノワールとソーヴィニヨン・ブランなど10品種以上を栽培。ワインはエントリーレベルからスーパープレミアムの単一畑まで幅広く、国際的な舞台で数々のトロフィーやゴールドメダルを獲得、高い評価を得ている。 その陣頭指揮をとるのが主任醸造家のウォーレン・ギブソン氏。ニュージーランド、オーストラリア、イタリア、ハンガリー、フランス、カリフォルニアなどでの10年に亘る醸造経験をもとに、1997年設立当初より、醸造だけでなく栽培チームのリーダーとしてトリニティ・ヒルのワイン造りをけん引してきた。シラーとクローン・プログラム シラー(またはシラーズ)は、冷涼地では栽培が難しいものの、そこで成熟したシラーには良質なトリニティ・ヒルは、ホークス・ベイ内のワイン産地ギムレット・グラヴェルズのパイオニア・ワイナリーの一つ。主任醸造家ウォーレン・ギブソン氏は25年以上トリニティ・ヒルで醸造に携わり、数々の受賞に輝く。11月初旬に来日し、アイコン品種であるシラーのユニークなクローン・セレクション試飲セミナーを開催予定。-9-テール・ルージュ&イーストン・ワインズオーナー醸造家 ビル・イーストントリニティ・ヒル 主任醸造家ウォーレン・ギブソン生産者来日 試飲セミナー報告とご案内2024年4月来日しました2024年11月来日します

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